節分と聞くと、「2月3日」と覚えている人も多いのではないでしょうか。

ところが、2025年の節分は2月2日でした。一方、2026年は2月3日です。

これはカレンダーの都合で適当に動いているわけではありません。

節分の日は、地球が太陽の周りを回る動きと関係しています。

シンプルな答え

節分の日付が変わるのは、節分が「2月3日」と決められているのではなく、「立春の前日」と決められているからです。

そして立春は、太陽の位置をもとに天文学的に決まります。

地球が太陽の周りを一周する時間は365日ぴったりではないため、立春の瞬間が少しずつずれ、その結果、節分の日付も年によって変わります。

そもそも「節分」は2月3日という意味ではない

「節分」という言葉は、そのまま読むと「季節を分ける」という意味です。

国立国会図書館によると、本来の節分は、

立春の前日
立夏の前日
立秋の前日
立冬の前日

のすべてを指していました。

つまり、もともとは年に4回あったのです。

その中でも、冬から春へ移る立春は年の始まりに近い重要な節目と考えられてきたため、しだいに「節分」といえば立春の前日を指すようになりました。

では、立春はどうやって決めるの?

ここで天文学が関係してきます。

現在の二十四節気は、地球から見た太陽の位置を表す「太陽黄経」をもとに決められています。

国立天文台によると、立春は太陽黄経が315度になる瞬間です。

つまり、

「毎年2月4日を立春にする」

とカレンダー上で固定しているわけではありません。

実際の太陽と地球の位置関係を計算して、

太陽が決められた位置を通過した瞬間
↓
その瞬間を含む日が立春
↓
その前の日が節分

という順番で決まります。

なぜ立春の日付がずれるの?

理由は、1年が365日ちょうどではないからです。

地球が太陽の周りを一周して、季節が一巡するまでの時間は約365.2422日です。

つまり、

365日
+
約0.2422日

です。

0.2422日は、およそ5時間49分です。

普通の年を365日としてしまうと、天文学的な季節の位置との間に毎年6時間弱のずれがたまっていきます。

そこで「うるう年」がある

このずれを調整するのが、うるう年です。

4年に1回を基本として2月29日を加え、季節とカレンダーが大きくずれないようにしています。

ただし、

365.2422日 × 4年

は、366日を入れれば完全にぴったりになるわけではありません。

少し補正しすぎます。

そのためグレゴリオ暦では、「4で割り切れる年はうるう年」を基本としながら、100で割り切れる年の一部は平年とし、400年間で97回のうるう年を入れる仕組みにしています。これにより、暦の1年の平均は365.2425日となります。

それでも天文学的な1年と完全に同じではありません。

こうした小さなずれが積み重なるため、立春が2月3日になったり2月4日になったりします。

そして、その前日の節分も動くのです。

2025年は、なぜ2月2日だった?

2025年は、国立天文台の計算で立春が2月3日23時10分でした。

立春の前日が節分なので、

2月3日 立春
↓
2月2日 節分

となりました。

一方、2026年は立春が2月4日5時02分です。

したがって節分は2月3日です。

さらに2027年も、立春は2月4日10時46分と計算されているため、節分は2月3日です。

つまり、

「節分の日が変わる」のではなく、

立春の日が動くので、その前日の節分も一緒に動く

と考えると分かりやすいでしょう。

2月2日の節分は珍しい?

長い間、節分は2月3日が続いていました。

そのため「節分=2月3日」と覚えている人が多くなりました。

国立天文台によると、2021年に節分が2月2日になったのは、1897年以来124年ぶりでした。

ただし、今後は2月2日の節分が極端に珍しいものではなくなっていきます。

国立天文台は、21世紀中盤には4年のうち2回程度、節分が2月2日になる時期があると説明しています。

「節分は2月3日」という感覚のほうが、実は長期間たまたま同じ日が続いていたために生まれたものなのです。

「節分」が年の境目だったことも関係している

節分が特に大切にされてきた背景には、立春が昔の暦で年の始まりに近い節目だったことがあります。

そのため立春の前日は、現在の大みそかに似た「年越し」の意味を持つこともありました。国立天文台も、立春前の節分には歳末としての意味があったと説明しています。

この背景を知ると、節分に鬼や災いを追い払う習慣がある理由も分かりやすくなります。

➡なぜ節分に豆をまくの?

豆まきは、中国由来の鬼払いの行事「追儺」と、日本の節分が長い時間をかけて結びついて成立したと考えられています。

また、江戸時代には節分を「年越し」と考え、そばを食べる文化もありました。

➡なぜ大みそかに年越しそばを食べるの?

このように見ると、節分・豆まき・年越しそばは、別々の行事に見えて「年の境目」という考え方でつながっています。

1問クイズ

節分の日付が年によって変わる直接の理由はどれでしょう?

A. 曜日に合わせて変更しているから
B. 月の満ち欠けで決めているから
C. 立春の前日と決められていて、立春の日付が動くから
D. 4年に1度だけ2月2日にすると決められているから

正解:C

節分は立春の前日です。

立春は太陽の位置から天文学的に決まるため、地球の公転と暦のずれによって日付が変わり、それに合わせて節分も変わります。

今回確認した資料

国立天文台「春の初めは暦の要―春分と天文学」
立春が太陽黄経315度で決まること、太陽年が約365.2422日であること、うるう年による補正と節分の日付変動を確認しました。

国立天文台 暦計算室「節分の日が動き出す」
節分が立春の前日であること、2021年に2月2日となった理由を確認しました。

国立国会図書館「第1章 節分と豆まき」
節分が本来、立春・立夏・立秋・立冬それぞれの前日を指したことを確認しました。